ーー誰にもやりたいことを止める権利はない
親の期待と自分の夢への葛藤、全く違うタイプの人たちとの関わり方。
監督自ら経験したことが元となってできた美しい映画です。
ディズニーらしい映像美とストーリーに引き込まれること間違いなしです！
映画マイ・エレメントの基本情報
劇場公開日：2023年8月4日
再生時間：101分
映倫区分：G（どなたでも年齢に関係なくご覧いただけます）
配給元：ディズニー
あらすじ
家族のために生まれ故郷を離れ、知り合いもいない新天地で一から食品店を作り、切り盛りする父の背中をみて育った火のエレメントのエンバーは父のお店を継ぐことが当然だと思っていた。
ひょんなことから、そこに自分とは全くの真逆の水のエレメントで非常に感受性豊かな男性のウェイドが現れる。
お店のためウェイドを説得しようとする中で、街の危機に直面し、ウェイド共に解決に奔走する。
触れ合えばお互いに消してしまう関係でも、協力できるのか、関係を発展させることはできるのか…？
キャスト・スタッフ
監督：ピーター・ソーン
製作：デニス・リーム
製作総指揮：ピート・ドクター
原案：ピーター・ソーン、ジョン・ホバーグ、キャット・リッケル、ブレンダ・シュエ
脚本：ジョン・ホバーグ、キャット・リッケル、ブレンダ・シュエ
編集：スティーブン・シェイファー
音楽：トーマス・ニューマン
エンドソング：ラウブ
日本版エンドソング：Superfly
エンバー：リア・ルイス （日本語吹き替え）川口春奈
ウェイド：ママドゥ・アティエ （日本語吹き替え）玉森裕太
バーニー：ロニー・デル・カルメン （日本語吹き替え）楠見尚己
シンダー：シーラ・オンミ （日本語吹き替え）塩田朋子
ゲイル：ウェンディ・マクレンドン＝コービー （日本語吹き替え）MEGUMI
ブルック：キャサリン・オハラ （日本語吹き替え）山像かおり
クロッド：メイソン・ベルトハイマー （日本語吹き替え）大谷育江
ハロルド：ロノビル・ラヒリ （日本語吹き替え）高木渉
フレリエッタ：ウィルマ・ボネット （日本語吹き替え）神田みか
ファーン：ジョー・ペラ （日本語吹き替え）伊達みきお
アラン／ラッツ／剪定する土の男：マシュー・ヤン・キン
アラン：（日本語吹き替え）間宮康弘
ラッツ：（日本語吹き替え）吉野貴大
剪定する土の男：（日本語吹き替え）松川裕輝
幼いエンバー：（日本語吹き替え）境葵乃
花火を買う客：（日本語吹き替え）越後屋コースケ
土の入国審査官：（日本語吹き替え）本間沙智子
フレーリー：（日本語吹き替え）小林達也
帽子の女性客：（日本語吹き替え）本間沙智子
土の配達人：（日本語吹き替え）望月杏夏
土のオーナー：（日本語吹き替え）安村直樹
水のドアマン：（日本語吹き替え）武田太一
レイク：（日本語吹き替え）濱口綾乃
（日本語吹き替え）白石晴香
（日本語吹き替え）杏寺円花
（日本語吹き替え）平田真菜
（日本語吹き替え）小堀幸
（日本語吹き替え）こばたけまさふみ
（日本語吹き替え）塙英子
（日本語吹き替え）立石みこ
（日本語吹き替え）大島向葵
（日本語吹き替え）柴田平美
（日本語吹き替え）NICO
家族で見れる度・見どころ
家族で見れる度：全年齢★★★★★
火・水・風・木のエレメントをキャラクターにして作られていて、人間的な暴力は通用しませんので、そういうシーンは全くないですw
火のエレメントが木に当たってしまって葉っぱを燃やしてしまったり、よそ見してて風にぶつかってしまったら風の体が分離してまた戻る、とういうように暴力という次元の話ではない世界観です。
クライマックス近くにキスシーンが一回ありますが、みていてソワソワしてしまうこともないのではないかと思います。
うちの子はちょっと視線を逸らしていましたが、気まずくなるほどの濃厚さや長さではありません。
個性的なキャラクターがたくさん登場するので、小さなお子さんも飽きることなく見ることができると思います。
見どころ
火・水・風・木それぞれの特性が見事に生かされたキャラクターが本当に素晴らしいです。
水のエレメントの子たちは体自体半透明で体の中で空気がポコポコ上に上ってたり、火のエレメントの子たちはロウソクをつけた時のように頭の先などがゆらゆらと揺れていたり、木のエレメントの子は脇毛が花だったり、風のエレメントはちょっとゴーストのように足がなくふわふわしてたりと人間の動きとはかけ離れていつつも、表情豊かでみていて飽きません。
そして、様々なエレメントを表すように建物の形や素材も様々なものが描かれていて、エレメント・シティはNYのような超高層ビルが立ち並び、夜の映像は本当に美しくて圧巻です。
こんな世界があったら楽しいだろうな、行ってみたいなと思わせる世界観が本当に素晴らしいです。
映画マイ・エレメントのポンコツ汁的感想
この作品を見始めた時、今流行りの多様性を認めようというテーマかと思っていましたが、見ていくとそれだけじゃない深い愛や葛藤がテーマだと気づきます。
移民として苦労してきた親を見てきた子どもの、親からの期待と自分の夢との葛藤は、ピーター・ソーン監督自身が経験してきたことだからこそ、リアルな過程で描かれています。
子は誰しも親に褒められ、認められたいものです。
だから、親のために親の希望があたかも自分の希望であると思い込み、親を喜ばせるため、親の期待に応えるために頑張り、それができないとなんてダメな子なんだと自分を責めてしまうなんてことは、一度は経験のあることではないでしょうか。
私もその一人です。
少し前の世代の親たちは、親のやってきたことを継ぐことが普通であり、当たり前のことという考えの中で育ってきているので、親の希望（例えそれが家業ではなくとも堅実な仕事に就くこととか）ではないことを目指すことはそれだけでハードルが高かったりします。
実際、監督自身、韓国からアメリカに移住した親御さんが苦労してお店を立ち上げ、子どものためにたくさんの犠牲を払って育ててくれた中で、お店を継がずにアニメーターになりたいという希望は初めは賛成されなかったそうです。
メイキング映像の中で、一世代前のアジア系の親は医者や弁護士は大歓迎でも、芸術家はダメだと言う、というのを聞いて、アジア系の家系は同じなんだなと思いましたw
また、マイ・エレメントは様々な国にルーツを持つ方々が制作に参加していて、全く違う文化圏に住むことで経験する差別や侮辱についても多くのシーンで描かれていて、本当に監督や制作者さん達が実際に経験した出来事が元になってるシーンでこの映画ができていると言っても過言ではないのではないかと思います。
だからこそ、非常にリアルなものになっていると思いますし、そう言った経験をされてきたからこそ出来上がった映画であり、ピーター・ソーン監督だからできた映画なのだと思います。
そして、これが実写であったり、人間のアニメーションであったりするとまた見方は変わりますし、より現実的すぎて様々な議論のネタになりそうな課題をエレメントで表現することで、子どもにもわかりやすく、それぞれ考えようと優しく問題提起してくれているようにも感じました。
海外移住したことある方や今現在も移住中の方には、わかるわかるー！というシーンもあるでしょうし、親の期待と葛藤している方や、親の期待などかけたくない！自分の思うままに自分の人生を歩んでほしい！と思う方、様々な立場の方々に楽しんでいただける映画だと思います。
関連リンク
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